オンラインジャーナル

Vol.1 No.1

原著論文

RJ-01002: Vol.1 No.1 pp.13-21
放射線治療を受けている乳がん患者の急性放射線障害とQOL
山内 真弓1・野戸 結花2・小倉 能理子2・西沢 義子2・山辺 英彰2・細川 洋一郎2・青木 昌彦1・堤 弥生3
1 弘前大学医学部附属病院
2 弘前大学大学院保健学研究科
3 放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院
キーワード:急性放射線障害、乳がん、QOL
目的:乳がん患者の放射線治療による急性放射線障害の症状発現時期や程度、QOLの実態と影響する要因を明らかにする。方法:対象は放射線治療を行っている乳がん患者68名。症状及びQOLは質問紙調査法、治療方法等はカルテ調査を実施。データは、unpaired t-test、Pearsonの相関分析、反復測定分散分析を行い、多重比較はScheffe法を用いた。結果:出現率の高い症状は倦怠感54.4%、疼痛69.1%、皮膚炎63.2%、掻痒58.8%で症状の程度はほとんどがGread1であった。また、症状の出現時期や特徴が明らかとなった。QOLは、照射前に比べ得点が低下せず、照射後は4領域のQOLが上昇した。症状スコアとQOLの相関では、中程度の負の相関が認められた。結論:QOLは治療前より低下せず、放射線治療がQOL低下に結び付かないことが示唆された。症状スコアとQOL得点に負の相関が認められたことから、出現する症状や時期を考慮し早期から症状に対しケアや指導を行っていく事でQOLが改善する可能性が考えられた。
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