オンラインジャーナル

Vol.6 No.1

原著論文

Vol.6 No.1 pp.3-11
放射線診療における看護師の役割に対する放射線科医および診療放射線技師の認識
加藤知子・小野孝二・草間朋子
東京医療保健大学
キーワード:看護師、放射線看護教育、放射線防護、放射線科医、診療放射線技師
本研究は、放射線科医および診療放射線技師が放射線診療において看護師に期待している役割等を明らかにすることを目的とした。331施設の3,420人の放射線科医および診療放射線技師を対象に無記名自記式質問紙調査を実施し、1,280人から回答を得た(回収率37.4%)。看護師は、医療現場で実施されているすべての放射線診療行為に係わっており、特にCTに係わっていた。看護師に期待する役割としては「患者の身体状態の急変時の対応」「放射線治療を受ける患者の不安に対する精神的ケア」等があった。放射線診療に係わっている看護師の日常的な行動ついては、「放射線診療中の患者の急変時への対応」に関して、放射線科医および技師の約80%は「適切である」と評価する一方、技師の45.5%は「看護師自身の放射線防護の方法」が適切でないとした。放射線診療における看護師への期待度は高く、特に「放射線防護」、「放射線影響」に関する知識・技術を系統的に習得する機会(教育・研修)が必要であることが指摘された。
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