オンラインジャーナル

Vol.9 No.2

研究報告

Vol.9 No.2 pp.75-87
UPZ内原子力災害拠点病院看護師における放射線リスク認知・不安の現状
福岡 真理1・山口 拓允2・新川 哲子3・浦田 秀子4・折田 真紀子4・高村 昇4
1 鹿児島純心女子大学
2 原子力安全研究協会放射線災害医療研究所
3 公益社団法人長崎県看護協会
4 長崎大学原爆後障害医療研究所
キーワード:原子力災害拠点病院、看護師、放射線リスク認知
原子力発電所立地自治体のUPZ内にある原子力災害拠点病院1機関を対象に、看護師の放射線に関するリスク認知や、原発近傍地での勤務に対する不安の現状を明らかにすることを目的とし、自記式質問紙調査を行った。看護師179名を対象とし、回答数は179名(回収率100%)であった。その結果、原発が近隣にあることによる放射線の不安を感じている看護師は、8割以上と高い割合を示していた。5割以上の看護師が、低線量被ばくによる晩発的な影響が起こる可能性が高いと認知しており、7割以上の看護師が被ばくによる遺伝的な影響や汚染傷病者の看護において自身に影響が起きる可能性が高いと認知していた。原子力災害拠点病院に勤務する看護師が自信をもって原子力災害医療を展開するために、放射線量、放射線の影響に関する基本的な知識、また患者の防護、看護師自身の防護を実施できるような知識を身につける必要があると考える。
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