オンラインジャーナル

Vol.13 No.2

研究報告

Vol.13 No.2 pp.50-59
放射線療法を受けるがんサバイバーの心理的適応の実態と関連要因
日浅 友裕
中京学院大学看護学部
キーワード: 放射線療法、心理的適応、気がかり
放射線療法を受けるがんサバイバーの心理的適応の実態把握とその関連要因を気がかりの視点から検討することを目的とした。外来通院で放射線療法を受ける患者200 名に質問紙調査を実施した。質問紙はがんサバイバーの心理的適応尺度を用い、属性および放射線療法を受けるがん患者の気がかりスケールで分析した。がんサバイバーの心理的適応尺度を従属変数とする重回帰分析を実施した。結果、回収数は121 部(回収率61.0%)であった。放射線療法を受けるがん患者の多くが、治療の初期段階において一定の心理的安定を獲得していることが示唆された。がんサバイバーの心理的適応に影響を与える関連要因は、「年齢」「就業」「Performance Status」「相談者の有無」「がんと共に生きていくことの気がかり」であり、がんとの共存に対する不安や葛藤の気がかりが、心理的適応の困難さや回復感に深く影響していることが示唆された。
このページの最初に戻る