オンラインジャーナル

Vol.3 No.1

短報

RJ-03013: Vol.3 No.1 pp.54-64
看護師の放射線に関する知識と不安の現状と関連性について
渡辺 明美・寺崎 敦子・鎌田 雅子・武田 沙江加・家弓 丸子
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院
キーワード:放射線、教育、知識、不安
目的:看護師の教育背景、放射線診療における業務・看護経験の違いから放射線の知識、知識への自己評価、被ばくの不安との関連性を明らかにする。方法:A病院の看護師全員へ自記式質問紙を用いて調査を実施した。結果:調査回答者は看護師395名である。6割以上の看護師が教育を受けた経験があった。教育経験の有無によってχ2検定を行った結果、知識の自己評価、放射線被ばくの知識に有意な関連性を認めた。自己評価得点は「卒業年が1989年(看護教育カリキュラムの指定規則改正)以前」、「放射線部勤務経験あり」が高かった。また「自己評価得点」と「知識得点」には有意な相関(Pearson r=0.42、N=395、p=0.001)が認められた。8項目の業務・看護は、経験の有無と被ばくの不安についてχ2検定を行った結果、「入室」(χ2=8.754、df=1、p=0.003)のみに有意な関連性を認めた。結語:看護師の放射線に関する知識は、放射線教育の経験があると高い傾向にあった。業務・看護経験と被ばくの不安については、勤務経験があると減少することが示唆された。
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