オンラインジャーナル

Vol.4 No.1

短報

RJ-04004: Vol.4 No.1 pp.12-19
放射線治療を一時中断しその後完遂した頭頸部癌患者の支えについての検討
――4事例へのインタビューより――
上野かおり・松木麻美・土橋由美子・山口敬子・古城邦子・川野範子
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院
キーワード:頭頸部癌、放射線治療、治療完遂、支え、インタビュー
放射線治療を一時中断しその後完遂した頭頸部癌患者4名に対する半構成的面接を通して、頭頸部癌患者の支えとなっているものについて質的に分析した。分析した結果得られたカテゴリをさらに、「放射線治療について」「有害事象について」「治療中断中の思い」「治療継続の支えになったもの」「治療完遂後について」に分類した。その結果、頭頸部癌患者の放射線治療を完遂するにあたり支えになったものは、「今までリンパに癌があったらもうだめだと思ったけど、治療ができると言われたから」という《治療が出来ることに対する希望》や《生きたいという思い》が大きかったと思われる。看護師は、患者が根底にもつ治療や生への思いを理解しながら、有害事象に苦しみ治療を中断している間も患者が希望をもち続けられるよう支援していく必要があると考える。放射線治療を完遂するにあたり『患者の支え』となったものは「治したい」「生きたい」という患者の強い意志や「家族の存在・言葉」「同様の治療を受けている患者の存在・言葉」「看護師の対応」「医師の言葉」であった。
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