オンラインジャーナル

Vol.6 No.1

研究報告

Vol.6 No.1 pp.22-32
放射線診療に携わる看護師が職業被ばくについて抱く不安に関する質的分析
大石ふみ子1・白鳥さつき2・伊藤眞由美2・山幡朗子2
1 聖隷クリストファー大学看護学部
2 愛知医科大学看護学部
キーワード:職業被ばく、被ばく防護、不安、管理
放射線科業務に携わる看護師が看護業務における職業被ばくについてどのように考えているか、について明らかにすることを目的に、放射線診療に携わる非管理職の看護師に対する質問紙調査における自由記述記載内容(131名分)を質的に分析した結果、60のサブカテゴリ、26のカテゴリ、13の大カテゴリが得られた。さらにこれらは、共通するテーマにより〈被ばくへの不安状況〉、〈被ばく不安による影響〉、〈被ばくリスクの増大要因〉、〈必要な被ばく予防対策〉という4つの群に分類された。看護師は、【被ばく量が不確かであることによる不安】と【被ばくの影響が不確かであることへの不安】を抱いていたが、この不安は看護師の知識不足のほか、管理体制や防護具による負担、職種間人間関係などに起因するに起因するおざなりな被ばく防護の自覚によって増大していた。看護師の抱く被ばくへの不安は、放射線看護のケアの質の低下や放射線看護業務への忌避感を招く可能性があり、組織や職種を超えての取り組みが必要であることが示唆された。
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