オンラインジャーナル

Vol.8 No.2

研究報告

Vol.8 No.2 pp.100-112
放射線災害の初動対応における看護師の意識への影響要因尺度の開発
堤 弥生1・野戸結花2・明石真言3
1 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構QST病院
2 弘前大学大学院保健学研究科
3 東京医療保健大学
キーワード:放射線災害、初期対応、看護職、意識尺度開発
本研究の目的は、看護職者の放射線災害の初動対応に関する意識への影響要因を測定するための尺度を開発し信頼性妥当性を検討することである。Ajzenが提唱する「計画的行動理論」を理論枠組みとし、先行研究等から項目を抽出、専門家会議およびパイロットスタディを経て尺度原案を作成後、740施設の災害拠点病院、原子力災害拠点病院、原子力災害医療協力機関に勤務する、放射線災害時の看護経験がある、もしくは放射線災害時の看護に携わる可能性がある看護職者1,480名に無記名自記式質問紙調査を実施した。項目分析、因子分析を行い、最終的に【実践的知識】【専門性への志向】【他者からの役割期待】【協働体制】【放射線被ばくへの不安】の5因子23項目で構成する『放射線災害の初動対応に関する意識への影響要因尺度』を得た。尺度全体のクロンバックα係数は0.93であり、内的整合性、内容妥当性、構成概念妥当性、弁別妥当性の検討により信頼性と妥当性は概ね確認された。
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