オンラインジャーナル

Vol.8 No.2

研究報告

Vol.8 No.2 pp.79-90
東日本大震災で被災した看護職者の原子力災害支援活動における体験
―復興期に焦点を当てて―
荒井千瑛
日本赤十字看護大学大学院看護学研究科共同災害看護学専攻
キーワード:東日本大震災、原子力災害、看護職者、体験
東日本大震災で被災した看護職者の原子力災害支援活動の体験を明らかにするために、被災した看護職者6名に半構造化インタビューを実施し質的に分析した。その結果【被災体験があるからこそ行う被災者支援】【原子力災害によって変わってしまうふるさとに対する強い思い】【看護職を選んだことにも通じる人への思い】【看護職として何かしたい気持ち】【看護の専門性を生かした支援】【原子力災害により分断された地域や人間関係のつながりの大切さ】【継続的な支援により感じられる被災者の変化】【支援の中で感じるもどかしさや疑問】【一緒に支援活動をする仲間の存在の大きさ】【一向に進まない原子力災害からの復興】【自分の時間を大切にしながら行う支援活動】【気負い過ぎないで行う支援】【支援を通して感じる自己成長】の13のカテゴリーが抽出された。看護職者は被災者がその人らしく生活できるよう看護の専門性を生かした支援を行っていた。被災した看護職者が支援を継続することは地域の復興につながり、被災した看護職者が支援活動を行う意味は大きい。
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